メインコンテンツに移動

犬の肥満の原因と飼い主ができる対策について

更新日: 2021/06/30


太った犬

あなたの愛犬さんは肥満体形ではありませんか?

犬種にもよりますが、太っていると、まるまるとした姿が可愛らしく見えてしまってそのままでいるということもあるかもしれませんし、体質だから特に対策されていない方もおられるかと思います。

しかし、人間と同じかそれ以上に犬にとって肥満は注目しないといけないことなのです。

愛犬が肥満であるかのチェック方法

犬種の適正体重より15%以上増加していると肥満の可能性が高いです。

筋肉量が多く体重が多少重いというのであらば問題ありませんが、明らかに脂肪がつきすぎていれば肥満といえます。

指標としてボディコンディションスコア(BCS)というものがあります。このなかで3が理想形として定義されています。

犬のボディコンディションスコア

出典「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」 環境省発行

少なくともこの表で4以上なら早めに対策することを強くおすすめします。肥満が進めば進むほど理想形にも戻すことが難しくなり、長い期間と大きな習慣変化を伴いますので、愛犬さんにとっても大きな負担となります、

早い段階で飼い主さんが対策すれば愛犬さんの負担も少なく無理なく健康体になるものと思います。

犬が肥満になる原因

肥満であることがわかったら、肥満の原因を追究することが大切です。

ここで、肥満になってしまうポイントをあげていきますので、該当するものがありましたら注目してください。

  • 食事のカロリーを気にしていない
  • おやつを1日に何度も与えている
  • 成犬に幼犬用の高カロリー食を与えつづけている
  • 運動不足
  • 去勢・避妊手術を行った
  • シニア犬
  • 病気

食事のカロリーを気にしていない

食事の摂取カロリーが、生活・運動で消費するカロリーを上回る場合、肥満につながります。ドッグフードのパッケージに与える量の目安が表示してありますので、参考として与えてください。

ただし、同じサイズの犬でも骨格や運動量により食事量も前後しますので、こまめに体重を測って適切な量を与えるようにしましょう。愛犬さんの適正体重は獣医師に聞いてみましょう。

おやつを1日に何度も与えている

おやつもカロリーを計算し主食との兼ね合いで与えてください。おやつの代わりに骨を与えるのも気が紛れて良いでしょう。

成犬に幼犬用の高カロリー食を与えつづけている

幼犬用のドッグフードは成長を促すために高カロリーの傾向になります。カロリーの取り過ぎになりますので、成犬になったら成犬用のドッグフードを与えてください。

運動不足

運動不足になると筋肉量が減って太りやすくなります。室内犬でも遊びの時間を作って適度な運動をさせて運動不足を解消しましょう。

去勢・避妊手術を行った

去勢・避妊の手術を行ったら、発情行動がなくなったり、ホルモンバランスの崩れにより太りやすい体質に変わっていきます。それまでの食事量や内容を変えて与えてください。

シニア犬

シニア犬になると運動量も減り、また代謝も落ちることから太りやすくなります。シニア用に作られている低カロリーのドッグフードや柔らかいドッグフードがおすすめです。

病気

病気によっては食欲が旺盛になることがあります。突然に食欲旺盛になったら病気の疑いも考えて獣医師に診てもらってください。

肥満の状態が続くとどうなるのか

肥満はデメリットはあってもメリットはありません。そもそも肥満にさせたいと思う方は少ないでしょうが、あまりにもデメリットが大きいです。

糖尿病を発症し失明や多臓器不全

糖尿病は怖い病気です。失明や合併症で重篤な状態となってしまいます。

抵抗力が落ちて感染症にかかりやすくなる

最近では医療も進んできており、感染症で亡くなるケースは少なくなってきましたが、肥満だと抵抗力が落ちますので、健康な状態と比べると感染症にかかりやすくなります。

心臓肥大

脂肪により心臓が肥大化する症状です。心臓の機能が低下しますので、心臓病のリスクが高くなります。

脂肪がつきすぎることによる皮膚病

皮膚にも脂肪がつくことにより発汗の機能が低下して皮膚病になりやすくなります。

体重が重くなりすぎによる脚や指の変形

自分の増えすぎた体重を支えることで脚や指が変形することがあります。

呼吸がしづらくなる

のどの周りに脂肪がつきすぎると呼吸がしづらい状態となり、呼吸器系の病気を持っているときは深刻な状態となります。

飼い主ができる対策

食事の内容を見直す

年齢、個体の体質によって食事量を減らしたり、カロリーを計算して過剰にカロリーを取り過ぎないように注意しましょう。

また、ドッグフードに穀物が多めに入っている場合、穀物量少な目がグレインフリー(穀物不使用)を選ぶようにしましょう。

おやつに関しては、ローカロリーな商品もありますので、量を与え過ぎないようにすれば良いと思います。

ドッグフードの選び方については以下も参考にしてみてください。 健康を考えたドックフード選び!選び方は人間と同じ

獣医に相談してダイエット用の療法食

病気であったり、太りやすい体質など飼い主では解決できない場合、獣医師に相談して療養食のアドバイスをいただきましょう。

運動不足の解消

毎日散歩に連れて行ってあげるとストレス発散にもつながりますので、肥満防止だけではなく問題行動の回避にもつながります。

また、室内犬であっても一定の運動は筋力維持、ストレス解消のため必要です。飼い主さんが時間を作って安全性を確保したうえで遊んであげてください。なお、遊びは愛犬さんを積極的に動かせるレトリーブがおすすめです。

※レトリーブ:飼い主さんがおもちゃを投げて愛犬さんが持ってくる遊び

やってはいけないこと

急激に食事量を減らす

過度に食事量を減らすと愛犬が体調を崩したり、その後に食事をとれなくなる状態も考えられます。食事量は徐々に減らして、こまめに体重計で管理してあげてください。

過激な運動

太り過ぎる犬は急激な運動は心臓に多大な負担をかけるため、事故につながる恐れがあります。負荷がかかり過ぎない程度に徐々に運動か量を増やしてあげてください。

まとめ

肥満は百害あって一利なしです。病気を発症して多額の医療費を払うことになったり、長年の持病をもってしまったりと愛犬さんはもとより、飼い主にも厳しい状況となってしまいます。

愛犬のためにも健康な日々を過ごしてもらえるよう体調を管理していただければと思います。